ほのぼのエッセイ「ばばあのクリーニング屋」

近所のクリーニング屋のばばあは死にかけている。
半分、死んではいるが、ほぼ毎日、クリーニング屋を営業している。

クリーニング屋のばぼあは、ドアをあけてもなかなか出てこない。
家の奥に、姿を発見しても、あゆみが遅く、なかなか近くにこない。
念仏をぶつぶつ唱えながら、近くに寄ってくる。

また、ばばあは、死にそうなくせにたばこをすっていて、たばこの灰の長さがそうとう長くなっても、灰皿におとさない。
もう、ギリギリの長さのところで、あわてず、ゆっくりと灰を灰皿に落とす。
クリーニングした衣類に灰を落とさないか、いつもハラハラさせられる。
あと、ばばあの吐くタバコの煙は、どくろのかたちをしている。

ただし、社宅から近く、値段も安いことから、弊社の社員からは、ばばあのクリーニング屋の愛称で、親しまれ、大いに利用されている。

たまに「ちゅうしゃに行ってきます」とふるえた字で書いてあって休みのときがある。
また、その「ちゅうしゃ」もむちゃなイラストが添えて書いてあり、そのイラストは、へたをすると浣腸にもみえる。

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