JR西の運転手の手記

2005年5月19日
例の福知山線の脱線事故に関係する、JR西の運転手の手記が載っていました。

救助せず出勤、JR西の運転手2人が手記
 JR福知山線で脱線事故を起こした快速電車に乗り合わせながら、乗客を救助せずに出勤したJR西日本の男性運転士2人が13日、事故後の心境を便せんにつづった手記を読売新聞に寄せた。(手記は抜粋)

 【尼崎電車区運転士(27)】
 事故が起こった時、大きな衝撃とともに体が後ろに飛ばされ、パニック状態でした。警察の方が車内に来られて、線路横の駐車場に誘導されてからも、しばらく放心状態で何が何だかわかりませんでした。
 今、落ち着いて考えると、自分の仕事が気になったといっても、事故の現場でお客様の救助をしないで現場を離れたことはJRの社員としても、一人の人間としても無責任であり、本当に申し訳なく思います。

 【森ノ宮電車区運転士(59)】
 気が動転していたとはいえ、現場に残ることができなかった判断の甘さと、これでいいのかという思いが出勤途中に何度もあり、時間がたつにつれ、一人の人間としての愚かさ、悔しさがますます強まり心苦しい毎日です。
 小さな力ですが、私が残って手助けをしていれば、あるいは助かった方もあったかもしれず、悔やんでも悔やみきれません。
 私の行動は非難されてもしかたのない行動で大変申し訳なく思っております。
 私は一生、この重い荷物を背負っていかなければならないし、二度とこのような事故を起こさないようJR社員一同が一丸となり、信頼回復に努めなければならないと思っております。

(YOMIURI ONLINEより)

この記事を複雑な思いで読みました。
確かに、後から、冷静に考えると、倫理的には、救助活動に協力した方が良いとも思えるのですが、サラリーマンをやっていると遅刻とか欠勤がマイナス評定になるのは、間違いがなく、きっと、やむをえず出勤をしてしまったのでしょう。
また、この2人が、運転手ということから、この2人がいなくなると、他の路線で、電車が動かなくなるという問題もあったかもしれません。

以前、僕も、電車の中で貧血を起こした女性を駅員室まで運んで、会社に遅刻したことがありました。上司(なっとうさん)に理由を説明すると、「まあ、理由はともあれ、遅刻は遅刻ね」と言われ、唯一の誇りである15年間、無遅刻、無欠勤だったのが、遅刻がついてしまいました。
また、上司には、「そんなのは他の人にまかせればいいんだ」といやみも言われました。

そういえば、あーびる自身も、パニック障害という病気をもっているので、駅や電車で倒れることがありますが、ほとんどまわりの人は助けてくれませんね(駅員さんは助けてくれます)。
助けてくれないことに対して、少々、腹も立ちますが、自分と無関係の人間にかかわって、遅刻して、マイナス評定がついて、上司に怒られるのを考えると、まぁ、しょうがないな、という気もします。

ただし、他人がどうなっても、自分さえよければいいという人間が、昔よりも増えた気がするのも確かです(なっとうさん他を見ているとそう思います)。

寂しい世の中になりました。

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