死闘!ハンケチ王子VSさとし
(前回のあらすじ)
西阿倉川野球大会も決勝戦、おおづめに来ていた。
弥富シルバーイーグルス×富州原ミーツ
我がチーム(弥富シルバーイーグルス)の名監督バレンタインデーは、4番カンセコ(元大リーガー)の代りに、とんぼめがねにかまきりのような男、代打さとしを送った。
さとしは、黄ばんだ白のブリーフ1枚で、小便臭い段ボールハウスより現れた。
この貧相な男にどのくらいのパワーがあるのか????
9回裏、2アウトランナー2、3塁、1−0、我がチームの代打さとしは、2ストライクノーボールと、おいつめられ、
万事休すかと思われた。
ピッチャーが渾身の力を振り絞り、150kmのど真ん中のストレートを投げた。
しかし、そのとき、さとしのトンボメガネは、きらりと光った! 
(第2話:秘打妖精の羽ばたき)
実はさとしは、3年間も体を洗っておらず、すごい悪臭であった。
その体を洗ったというのも、台風の日、豪雨の中で、全裸で立っていたというものである。
そして、さとしの娘も産湯につかったのが最後の入浴である。
富州原ミーツのキャッチャーは、さとしのまわりを飛ぶ無数のハエによって、投手のボールがかなり見にくくなっていたのである。
そして、ハンケチ王子ならぬ、お尻を半分出したハンケツ王子は、第三球目は、渾身の150kmのストレートであった。
さとしは、1本足打法から、「きぇー」と奇声を発すると、フルスイングし、両方の腕の骨が折れた。
球は、バットに、かすりもせずにゲームセットかと思われた。
しかし、無数のハエによって、視界をさえぎえられていた捕手は、ボールを後逸してしまったのである。
出たっ!秘打妖精の羽ばたきであるっ!
「走れ、さとし!捕まるぞ!」の声がする。
食い逃げ常習犯のさとしの足は、速い。
あっという間に、1塁ベース上に、すべりこんでいた。
それと同時に、2、3塁ランナーも、生還し、逆転に成功したのである。
西阿倉川演奏隊がさとしマーチをかなでる。
♪段ボール100kg運んでも〜
♪たった300円の手間賃だ、さとしー
♪娘といっしょに風呂に入り 実技で性教育
♪ジョンベネちゃん殺しの真犯人、さとしー
♪FBI、CIAから逃げ切って、家族を守れ
♪食中毒よ、何するものぞ、
♪コンビニ賞味期限切れの弁当は豪華なディナー、さとしー
♪2人の娘は、野豚と交尾
♪孫は、いのぶた やったぜ さーとーしー
優勝は、我がチーム、弥富シルバーイーグルス。
そして、MVPは、もちろん、さとしである。
補欠のあーびるには、さとしが、とても羨ましく、輝いて見えた。
MVPのトロフィーが授与されると、うやうやしく、さとしは、骨折した両腕で受け取った。
すると、さとしに、副賞として、一匹のチワワの子犬がわたされた。
さとしの目が血走ると、トロフィーで子犬の頭を力任せに殴打し、
絶命させると、さとしファミリーは、子犬の死体をむさぼり喰った。
こいぬは、あっと言う間に、骨だけになった。
やはり、どんなスポーツにも、ハングリー精神が必要であることを、さとしは亀田兄弟に教えてくれたのだ。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索